中野ひろまさ

安全保障法制の閣議決定について

自衛の措置として憲法9条の下でどこまでできるのか、11回の自公協議を重ね、昨日閣議決定がなされました。
様々な報道もなされておりますが、閣議決定に当たっての私自身の考えを述べさせて頂きたいと思います。

一般的に集団的自衛権とは、他国が攻められた際に、他国を守るために、日本が武力行使をする、というものです。日本と関係のない戦争に巻き込まれるおそれが高く、私は絶対に反対であります。また、憲法9条が認めるものではない、と考えます。こうした一般的に考えられている集団的自衛権は、今回決して容認しておりません。

しかし、日本と他国が協力して日本を守る際、たまたま他国側だけに攻撃がなされた場合どうするか、これは、従来憲法上認められていた個別的自衛権(自国が攻撃された場合の自衛権)の延長線上の議論ですが、日本の安全保障における「隙間」となっています。例えば近隣有事の際、邦人が国外退去するための船がたまたま米国籍船だった場合に防衛できないが、どうするのか?という問題提起もなされました。
この隙間は埋めないといけません。しかし、この議論をきっかけに集団的自衛権を幅広く認めさせようという人たちが、与野党問わず数多くおります。
これらの意見を抑え、憲法9条の観点から様々な歯止めをかける、これが今回の閣議決定でなされたと理解しています。

具体的に申し上げます。今回の閣議決定文ですが、
「我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合において」
「他に適当な手段がないときに」
「必要最少限度の実力を行使する」
とあります。これは、個別的自衛権でどこまで対応できるか、という議論の延長線上であり、個別的自衛権と同じ性質のものです。
(実際に、個別的自衛権の中で、ケースバイケースですが、米艦防護のための武力行使は今でも可能です)
あくまで専守防衛のためにどこまでできるのか、という事しか認めておりません。

私は、こうした自衛の措置であれば、日本の国と国民を守るために行うべきであると考えます。

では、歯止めはどのようにかけたのか。「根底から覆される」「明白な危険がある」など、極めて抑制的な文言を用いましたし、閣議決定に「自衛の措置は、あくまで外国の武力攻撃によって国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるという急迫、不正の事態に対処し、国民のこれら権利を守るためのやむを得ない措置として初めて容認されるものであり、そのための必要最小限度の「武力の行使」は許容される。これが、憲法第9条の下で例外的に認められてきた見解の根幹、いわば基本的な論理であり~この基本的な論理は、憲法第9条の下では今後とも維持されなければならない。」という文章を盛り込みました。
すなわち、今回議論した措置を超えるものは憲法9条改正が必要、ということです。

これらの歯止めは、原案には一切ありませんでした。全て公明党が与党協議で主張した結果です。

隙間は埋める、歯止めもかける、両方できるからこそ、私は今回の閣議決定に賛成すべきであるとの結論に至りました。
他にも論点は数多くありますが、地元でも丁寧に説明し、今後も情報発信を行って参りたいと思います。
(写真は、昨日の尼崎の支部会の様子です)



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